私が大学を卒業したのが昭和63年ですので現在の研修システムとは全く異なっていました。まあぼろ雑巾のように使われましたね。研修というより雑務、パワハラという概念もなかったです。大学卒業後心臓外科の医局に入局しましたが、今思うと当直表というものがありませんでした。つまり重症患者がいるかぎり当直です。術後管理に難渋した場合、何カ月も病院に泊まり込むなんでざらでした。ただ、この研修で心臓外科医に必要な最低限の基礎体力はついたと思います。
この経験から、指導者になってもっと能率的で効果的な研修方法がないか考えるようになりました。スポーツの世界でも練習方法、試合形式が見直されているように。ただ、医師として最低限の基礎体力はどうしても必要です。後でも述べますが、理不尽な研修環境が全くないというのも問題かもしれません。お坊ちゃんお嬢ちゃん育ちでは医療の厳しい現場に直面した場合に乗り切れるか?指導医としての課題と考えます。